1. 成功の起点:一人の中国籍社員から「外国人専用店舗」への戦略的進化

同社の外国人受け入れが本格化したのは2016年。一人の中国籍の新入社員が入社したことが大きな転機となりました。
「入社以降、外国籍のお客様の仲介件数が目に見えて増加しました。その成功体験を基に、以後も継続して外国籍スタッフを採用してきました」と担当者は振り返ります。
しかし、同社の凄みはここで終わりません。点在していたノウハウとリソースを、2020年に「楠木店」一箇所に集約。「外国人専用店舗」として特化させたのです。
これは、外国人対応を「特定のスタッフが頑張る」属人的なものから、「組織として専門的に対応する」戦略的な事業へと昇華させた瞬間でした。このリソースの集中こそが、年間570組という他を圧倒する実績を生み出す強力なエンジンとなっています。
2. 課題の本質:なぜ「外国籍スタッフによる説明」が最強の解決策なのか
同社が直面した課題は、多くの管理会社が経験するものと変わりません。
・ゴミの分別ルールが理解されない。
・食文化の違い(例:ゴキブリが発生しても気にしない)による衛生問題。
・お祝い事のパーティー文化による、狭い部屋への集まりと騒音苦情。
これらの「文化の違い」からくる根深い課題に対し、良和ハウス様の解決策は非常にシンプルかつ強力です。
「外国籍のスタッフが、来店時、案内時、契約時、そして鍵の引渡時まで、全てのフェーズで『母国と日本の文化習慣の違い』を徹底的に説明します」
このアプローチがなぜ最強なのか。それは、同じ外国籍のスタッフが彼らの母国語や理解しやすい言葉で、「なぜ日本ではそれをしなければならないのか」「なぜそれが問題になるのか」を、文化的背景や実体験を交えて説明できるからです。
「ルールだから守れ」という一方的な指示ではなく、「日本ではこうしないと、隣の人がこう困る」という共感と理解を促すコミュニケーションが、本当の意味でのトラブル防止に繋がっています。これは、オーナー様への説得材料としても、最も強力な武器となっていることでしょう。

3. 先入観への警鐘:「外国人だから目立つだけで、何も変わらない」

これだけの数の対応をしているからこそ見える、本質があります。「家賃滞納や各種問題は、日本人と比べて多いのではないか?」という問いに対し、担当者はきっぱりと答えます。
「外国人だから目立つだけで、特段日本人と何も変わりません」
これは、外国人受け入れにネガティブなイメージを持つ人々に、ハッとさせる言葉ではないでしょうか。問題を起こす人は国籍を問わず存在し、ルールを守る人も国籍を問わず存在する。その当たり前の事実を、3.7万戸のビッグデータが証明しています。
また、広島の地域課題として「外国人入居者は年々増えているのに、部屋を提供する家主や管理会社がまだ少ない」という需要と供給のミスマッチも指摘。この先入観こそが、ビジネスチャンスを逃す最大の要因になっているのかもしれません。
4. すべての管理会社とオーナーへ:「支援してあげる気持ちが大切」
最後に、外国人受け入れを検討している全ての人へ、同社から力強いメッセージをいただきました。
「起こりうることは、外国人も日本人も本当に何も変わりません。特に留学生や実習生の方々は、遠い母国の家族のために、日本で頑張っている、あるいは、これから頑張ろうとしている人たちです」
「彼らの背景を理解し、支援してあげる気持ちが大切です」

株式会社良和ハウス様の取り組みは、単なる空室対策としての外国人受け入れではありません。「専用店舗」という戦略的な仕組みを構築し、外国籍スタッフという最高の「人」が、文化の翻訳者として活躍する。そして、その根底には「日本人と変わらない」というフラットな目線と、「頑張る人を支援したい」という温かい心が流れています。
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