1. 創業の原点:一杯の紅茶から始まった “恩送り” の理念

同社の外国人支援のルーツは、創業者(現会長)の青年時代にまで遡ります。
「会長が若い頃、バックパック一つで世界を旅していました。旅の果てにたどり着いたロンドンで、途方に暮れながらアパートを探していた際、”flat agency”(※英国でアパート専門仲介業者を指す言葉)と書かれた看板のお店に飛び込んだそうです。そこで出会った方にとても親切にしてもらい、部屋探しを手伝ってもらった。その時の感謝と感動が忘れられなかった、と聞いています」。
帰国後、あの時の恩返しをしたい、そして、いつかの自分のように異国の地で部屋探しに困っている人の力になりたい――その一心で設立されたのが、株式会社フラットエージェンシー様です。社名に込められた想いは、創業から時を経た今も、同社の根幹をなす大切な理念として息づいています。
2. 理想と現実のギャップ:「生活の悩み、全部来ます」という現場の苦悩
“困っている人を助けたい”という純粋な想い。しかし、その想いが強ければ強いほど、現場では新たな課題が生まれます。
「私たちの本来業務は、お部屋探しや入居中の設備トラブル対応です。しかし、外国人入居者様からは、それ以外の、まさに日本での生活面に関するあらゆるお悩みが、昼夜を問わず寄せられます。『ゴミの出し方が分からない』『病院に行きたい』といった相談は日常茶飯事。時には、私たちが仲介したお客様ではない方まで巻き込んでしまうこともあり、まさに”よろず相談所”の状態でした」。
親身に対応したい気持ちと、本来業務との間で板挟みになる苦悩。さらに、実務的な課題も山積していました。
物件マッチングの難しさ: 留学生を受け入れてくれる物件自体が少なく、ご本人の希望条件と合致させるのが非常に難しい。
文化の違いによる近隣トラブル: 生活音や習慣の違いから、入居後に日本人住民からクレームを受けてしまう。
金銭的なリスク: 残念ながら、家賃を滞納したまま連絡が取れなくなったり(夜逃げ)、退去時の原状回復費用が未払いになったりするリスクもゼロではない。
理念だけでは乗り越えられない、シビアな現実がそこにはありました。

3. 課題解決への道筋: “線引き” と “パートナーシップ” が生む最適解

“何でも屋”からの脱却。そのために同社が模索したのが、「自社で抱え込まず、専門家と連携する」という道でした。
「一時は『日本語が全く通じない方や、日本の生活に不慣れな方の受け入れは難しいかもしれない』と考えるほど、現場は疲弊していました。そんな時、突破口となったのが保証会社との連携強化です」。
同社が特に期待を寄せているのが、GTNのような専門知識を持つ保証会社が「第一相談窓口」となる役割です。
「生活全般の相談まで私たち管理会社が受けるのではなく、まずは専門のサポートデスクを持つ保証会社に繋ぐ。そこで解決できない専門的な内容を私たちが引き継ぐ。この“業務の線引き”が、私たちの負担を劇的に軽減し、本来の業務に集中させてくれると期待しています」。
もちろん、入居者や家主への直接的な働きかけも欠かせません。契約時には、日本のルールや注意事項を丁寧に説明し、理解を促す。そして、家主様には保証会社が提供する充実した保証内容を具体的に説明し、不安を解消していただく。入居者・家主・保証会社、そして自社。この四者が協力し合う“パートナーシップ”こそが、課題解決の鍵だと同社は考えています。
4. 未来の管理会社へ:家主様の理解が、未来を拓く
最後に、これから外国人受け入れを検討している管理会社へのアドバイスをいただきました。
「滞納やトラブルの実態として、悪意を持ってルールを破る方は決して多くありません。ただ、『契約すれば家賃は自動で引き落とされると思っていた』『自国では海外送金や現金払いが普通だった』といった、支払い方法に関する認識の違いからくるトラブルは頻繁に起こります」。
こうした無用なトラブルを防ぐためにも、事前の丁寧な説明は不可欠です。そして、もう一つ。
「外国人受け入れを阻む最大の壁は、実は家主様の不安感です。ですから、保証会社の保証内容がいかに手厚く、リスクをカバーしてくれるものであるかを、私たち管理会社がしっかりと説明し、家主様にご理解いただくこと。これが何よりも重要です」。
保証会社への理解が深まれば、家主様も安心して物件を提供でき、結果として留学生や外国人が入居できる物件の増加に繋がっていく。その好循環を生み出すことこそ、管理会社に課せられた大きな役割だと、同社のアドバイスは示唆しています。

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