パイプ一本に込める、職人のプライド

チュンさんの仕事は、パイプの曲げ加工。精密さが求められる、まさに職人の世界です。どんな時にやりがいを感じるのか、尋ねてみました。
「自分の仕事を、正しく、そして美しく仕上げられた時に、一番の満足感を感じますね。新しい図面をもらった時は、どうすれば最も正確に、そして速く作業できるか、じっくり読み込んで考えるんです」
一つひとつの仕事に真摯に向き合う姿は、私たちが見習うべき点が多いかもしれません。
一番の驚きは、日本人の「時間厳守」
来日して驚いた日本の文化は、「時間」に対する考え方だったとチュンさんは言います。
「みんなが勤務時間より早く出勤して、仕事の準備をしているのには本当に驚きました。時間厳守の文化は、素晴らしいと思います」
私たちが当たり前だと思っている習慣も、彼の目には新鮮で、尊敬すべき文化として映っていました。
船に揺られて尾道へ。お気に入りは千光寺の桜
広島での暮らしにも慣れてきたチュンさん。お気に入りの場所は、少し意外な、でも広島県民なら誰もが頷くあの場所でした。
「尾道駅と千光寺が一番好きです。私が住んでいる向島から駅まで、船に乗って行くんですが、それが毎回とてもワクワクするんです。千光寺は、春になると桜が本当に綺麗で…」
休日は、家の掃除をしたり、スーパーへ買い物に行ったりと、堅実な毎日を送っているそうです。彼が初めて広島に来た時に感じた「とても静かな場所」という印象は、今も変わらないと言います。穏やかな街で、地に足をつけた暮らしを大切にしている様子が伝わってきます。

「ずっと広島で」— 心に描く、家族との未来

最後に、チュンさんにこれからの夢について聞きました。彼の口から語られたのは、私たち広島県民にとって、とても嬉しい言葉でした。
「できるだけ長く、この広島にいたいです。そして、一生懸命働いて、今の会社に長く勤めたい。いつか条件が整ったら、故郷から家族を呼んで、ここで一緒に暮らすのが私の夢なんです」
一時の滞在ではなく、この地に根を下ろし、地域の一員として、家族と共に生きていきたい。
チュンさんの誠実な夢を知った時、彼はもう「外国から来た人」ではなく、同じ広島で未来を築こうとする、大切な「隣人」なのだと強く感じました。
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