親戚の話から始まった、日本への憧れ

ダヌシさんが日本に興味を持ったのは、幼少期のことでした。

「親戚が長年日本に住んでいたんです。その親戚から日本の生活や文化、四季折々の自然、特に桜の美しさについて聞く機会が多く、自然と日本に関心を持つようになりました。日常の中でJ-Popも親しむようになり、『将来は日本で学びたい』という思いが強くなって、高校卒業後の進学先に日本を選びました」

2018年に来日してから現在まで、彼女の日本での生活は8年目を迎えます。きっかけは身近な親戚の影響でしたが、そこから自らの意思で日本での進学を決断しました。

学生から社会人へ。「社会に貢献したい」という決意

日本語学校、そして大学での4年間。計6年間の留学生生活の中で、ダヌシさんは日本のさらなる魅力に気づいていきました。

「最初は景色などの表面的な魅力に惹かれていましたが、次第に日本社会の内面にある価値観に関心を持つようになりました。相手を思いやる丁寧な人間関係や責任感の強さ、社会の発展力、そして日常の中にある細やかな親切。それらに触れることで、自分自身の考え方や行動にも良い影響を受けたんです」

学生として過ごす中で、彼女は「働く立場になれば、さらに実践的な知識や経験が積めるはず」と考えるようになります。日本で培った経験や価値観をいつか母国スリランカの発展にも活かし、社会に貢献したい。その強い思いが、日本で就職するという決断に繋がりました。

「静かな街」から「発展する国際都市」へ。広島の印象の変化

来日当初、東京で数日間過ごした後に、親戚のいる広島へやってきたダヌシさん。その時の第一印象は、東京と比べると「落ち着いていて、静かな小さな街」というものでした。しかし、約7年間を広島で過ごす中で、その印象は大きく変わっていきました。

「街づくりが進んで交通や商業施設が整備され、都市としての発展を強く感じるようになりました。最近では、外国人の間でも『住みやすく魅力的な街』として注目されていますし、観光客も増えています。広島の歴史や文化、平和へのメッセージが世界へ発信されていることを、日々実感しています」

株式会社良和ハウスでの挑戦:外国籍のお客様に「安心」を届ける

現在、ダヌシさんは株式会社良和ハウスの国際営業チームに所属し、3年目を迎えています。主な業務は、日本で生活する外国籍のお客様のお部屋探しをサポートすることです。

「日本での生活において、安心して住める場所を見つけることは非常に重要です。お客様の文化的背景やライフスタイルを丁寧に伺い、最適なお部屋を提案し、入居後のフォローまで一貫して対応しています。信頼関係を大切にし、一つひとつの対応を丁寧に行うよう心がけています」

言葉や習慣の違いから不安を抱えるお客様が、無事に住まいを見つけ、「ここが自分の家だ」と笑顔を見せてくれたとき。その瞬間に、彼女は最も大きなやりがいを感じると言います。

日本ならではの「おもてなし」と「気配り」

良和ハウスで働き始めて驚いたのは、日本の「働く文化」でした。特に「おもてなしの心」と「気配り・思いやり」が、お客様に対してだけでなく、社内の仲間同士でも平等に大切にされている点に深い感銘を受けたそうです。

「相手の立場に立って考え、言葉に出さなくても何を必要としているか、何に不安を感じているかに気づこうとする姿勢。こうした日本ならではの真摯な姿勢に触れながら仕事ができることを、とても嬉しく、貴重な経験だと感じています」

休日はドライブでリフレッシュ。母国の文化も大切に

プライベートでは、宮島や原爆ドーム周辺がお気に入りの場所です。宮島の自然と歴史の調和に癒やされ、原爆ドームでは平和の大切さを改めて考える。そんな静かな時間を大切にしています。休日は友人とカフェ巡りや映画を楽しみ、最近取得した車の免許で、海や山へドライブに行くことがリフレッシュになっているそうです。

また、母国スリランカの文化についてもこう話してくれました。 「スリランカでは、時間は日本ほど厳しくなく、多少遅れても大きな問題になりません。食事は手で食べ、スパイスをたくさん使います。宗教が生活にとても身近にあるのも、日本との大きな違いですね」

広島とスリランカを繋ぐ架け橋を目指して

ダヌシさんのこれからの目標は、さらに不動産や生活サポートの専門性を高め、外国籍の方が広島でより安心して暮らせる環境づくりに貢献することです。

「将来は、日本で身につけた仕事の姿勢や経験を活かし、広島とスリランカを繋ぐ架け橋のような存在になりたい。双方にとって価値のある関わりを生み出せる仕事に携わっていきたいです」

8年前、憧れを持ってやってきた広島の街で、彼女は今、確かな足取りで未来への一歩を踏み出しています。